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第52期王位戦第四局(一日目) [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦している今期の王位戦第四局。ここまで、広瀬王位から見て2-1。本局は、広瀬王位の先手と言うことで、戦型選択にも注目が集まりましたが、どうなったでしょうか。

詳細は、中継ページをご覧ください。

第二局に引き続き、広瀬王位は先手では居飛車を選択。戦型予想は外れました(^_^;)

横歩取り△8五飛に進み、先手思わしくないのではないかと言われている変化に広瀬王位が飛び込んだ。

ただ、封じ手の局面でも、まだ前例をなぞっている展開。

私自身は、△4一玉型ならば、ほぼ新山崎流一辺倒なので、本局の展開はよく分からないけど、封じ手で変化するのか、終盤で細かい工夫を使ってひっくり返すつもりなのか・・・。

かつて、渡辺竜王も横歩取りで詰みまで研究されているような将棋で、終盤に巧妙な利かし一発で、結論をひっくり返して勝ったこともある。

本局も、若きタイトルホルダーの研究の深さが見られるかも。

横歩取り△8五飛の名手(だったけど、最近の採用率は非常に低い・・・)の上記渡辺竜王もブログで、本局に触れて、「その後の結論は・・・前過ぎて思い出せない」と不穏なことを書いている。水面下の独自研究があるのを秘匿しているのか、本当に忘れちゃったのか・・・?

いずれにしても、中継に書かれているほど、はっきり後手よしということではないのかもしれません。

二日目の今日の展開に注目です。


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第52期王位戦第3局(二日目) [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦している今期の王位戦第3局の二日目。

本局は、満を持して(?)広瀬王位の穴熊が登板となりました。ただし、昨期の原動力の四間飛車穴熊ではなく、ゴキ中の穴熊。

一日目は、やや後手の指し手が難しくなりつつある雰囲気でしたが、二日目はどうなったでしょうか。

詳細は、中継ページをご覧下さい。

封じ手は、△4二角でした。予想が当たって、「えっへん」と言いたいところだけど、直後の44手目△5三銀から穴熊を強化しに行く後手の構想は全くの予想外で、これではちょっと当てたうちに入らないかも・・・。

いやあ、一歩損しても穴熊を強化できればいいよというのは、非常に柔軟な発想。・・・というか、本当に大丈夫なんだろうか。これで形勢を損ねてないとしたら、驚異的な大局観だ。

53手目まで、先手も穴熊に潜って、機は熟す。54手目△7五歩から開戦。3筋も突き捨ててから、角を飛び出し、60手目△3三桂と活用。振り飛車もまずまずな感じだけど、先手からの攻め筋も豊富なだけに、捌ききれるかどうか。この局面は、やや先手持ちか。

ここで、羽生二冠は、63手目▲4四銀から一気に決めに出る。もっとも直線的な変化なだけに、かなり先手が良いと見ているのでしょう。

75手目▲7五香まで一気に進んで、先手ペースが確定。

80手目△6五桂は非常手段。7三に歩を打たされた関係で、馬の価値が低くなったということはあるけど、やはり駒損が痛い。先手の飛車の働きを悪くした効果がどれくらい出るか・・・。

84手目△6九銀の食らいつきに、先手は悠々▲5七飛。自玉の安全度を見切っているか。

後手は、攻め駒不足なので、90手目△7四歩と自陣を崩して戦力補充に行く。そこで、▲5一飛成が俗な手ながら、好手。香車を渡しても自玉は平気。

95手目▲6一銀も参考にしたい寄せ。穴熊は受けるスペースを潰さないと、千日手模様になりやすい。

そして、99手目▲7九金打が鬼の一手。これは心が折れる。

先手は、ほとんどZに近いかな?

105手目▲7三歩からは、着実な攻めで、後手玉は受けなし。

というわけで、羽生二冠の勝ち。

本局は序盤~中盤の入り口で、少し先手が指しやすくなった感じだった。中盤になって、後手から動いてきたところをうまくカウンターを合わせて、優位に立った。その後は、あまり危ないところもなく、堅実に攻めきったという印象。後手としては、結果論的には、60手目前後のあたりで何か工夫が必要だったか。

次局は、羽生二冠が後手と言うことで、またどんな作戦が飛び出すか予想が難しい。一応、▲7六歩、△3四歩、▲6六歩、△8四歩から、先手四間飛車穴熊vs後手居飛車穴熊の展開を予想しておきます。


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第52期王位戦第三局(一日目) [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦している今期の王位戦第3局。ここまで、広瀬王位の2-0で来ており、挑戦者としてはこのあたりで一勝を返しておきたいところ。

意外にもここまで穴熊が出てなかったけど、本局はどうでしょうか。

詳細は中継ページをご覧ください。

戦型は、後手の広瀬王位が、得意のゴキゲン中飛車を選択。対する先手の対策は、超速の出だしだったものの、途中で変化し、ややオールドファッションな3七銀急戦の形に合流。

この形は銀対抗が間に合うので、比較的ゆっくりした展開になりやすい。亜急戦とでも言うべきか。

後手は、展開がゆっくりするのを見越して、穴熊へ。先手玉が固くなりにくいので、陣形差で作戦勝ちにしようという自然な構想。三局目にして、ようやく広瀬王位の穴熊登場。

しかし、ここから、なぜか先手の模様がよくなってくる。

まず、27手目▲3七桂で、攻めの体勢を築いて、行くぞ行くぞと見せて、3二金型を強要。これで後手の穴熊は遠さはあっても固さは望めなくなった。

続いて、37手目▲6八金寄が、これぞプロの序盤。では、ということで、逆に今度は先手玉が固めに入る。気づいてみると、先手陣は、いつでも開戦できる攻撃態勢が整っている上に、守備で指したい手がたくさんある。対して、後手はすでに穴熊まで行ってしまっている関係上、守備で有効そうな指手は残り少なく、かといって明瞭な仕掛けの筋も難しく、若干手詰まり模様になっている。

結局、じわじわと進んで、41手目▲8八玉の局面で封じ手となった。

この局面は、このまま先手に固められると、後手の主張がなくなってしまうので、何か揺さぶりを考えたいところ。タイミングとしては、先手陣が少し中途半端なこの瞬間か、少し進めて、▲9八香あたりかの選択になりそう。ただ、先手が穴熊まで目指しているかどうかは分からないのと、そこまでに何を指して待つかもかなり難しくなってきているので、個人的にはここらで動きを見せたいかな。

・・・というわけで、封じ手予想は、△4二角としておきます。

盤上の形勢はまだ互角。ただ、この先の数手で後手が苦しくなるか、互角のまま戦いが始まるかになりそうで、実戦的には先手を持ちたい・・・と見ます。


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第52期王位戦第2局(二日目) [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦している今期の王位戦第2局の二日目。

詳細は中継ページをご覧ください。

封じ手は、やはり△7四銀でした。

対して、先手は▲3五歩から2~3筋を攻撃。部分的には非常に厳しく、受けきることは不可能だけど、後手玉が居玉なので、どれくらい響くか。後手も桂馬をはねて△6五銀からの反撃の筋があり、攻め合いにはなる形なので、寄せの速度が重要になってきそう。

一連の応酬の後、55手目▲7四歩~59手目▲5六銀が若き王位の才能を示した順。このあたりでは、先手が指しやすくなった気がする。

しかたない60手目△5四銀に、▲4四角から先手は攻め駒がきれいにさばけて快調。桂馬の質もあっては、後手はかなり苦しそう。

しかし、そこで、じっと△7六歩も非凡な一手。悠長なようだけど、7七に打ち込める形を作っておくのが大きいと見ているのでしょう。普通では、これは怖くて指せない。先手玉は寄せられても全く文句は言えない。

先手は勝機ありと見て、桂馬をむしりとって飛車を成り込む。

75手目▲3二銀が、ほどきにくい詰めろ。命からがら上部へ脱出してきたところへ、79手目▲3五歩。後手玉の命は風前の灯火。

後手は、△7七銀と打ち込むが、先手玉は右へ逃げれば詰まない。形作りか・・・と思われたのだが。

82手目△1五角がアクロバティックな粘り。この角はいずれ取られそうだけど、ひとまず2四への利きを増やして玉を安全にする。

87手目▲7七桂では、先手変調。ちょっと前まで先手勝勢に見えたけど、かなり形勢が接近してきた感じだ。そして、90手目△5八銀!取って勝ちっぽいので、できれば取りたいけど、相当に勇気が要る。優勢な方は安全に行きたくなるという心理も加えると、取りづらい。山崎七段の講座の通りだ。

結局、実戦は▲4八玉と躱したために、92手目△5五桂が味良く、さらに形勢が接近。どちらが勝ってもおかしくない大乱戦になってきた。

先手は、101手目▲6五金まで、後手の中段の駒を根こそぎ掃除して、来るべき上部脱出に備える。

後手は、回ってきた手番で、△5九角から猛追。今度は、先手玉が中段へ追い回される展開に。

110手目△6四金は、ほとんど頭突き状態。6四へ歩をのばすためというのは分かるけど、自玉のすぐそばで、よくこんな怖い手を指せるものだ。

先手は、115手目にしてようやく▲1五竜と角を取る。

ここで、後手は、116手目△6六竜と切って、寄せに出た。

しかし、123手目▲6六桂がいい合駒で、どうやら先手玉は詰まないようだ。

・・・というわけで、広瀬王位の勝ち。通算2-0と星を伸ばした。

本局は、序盤、中盤で先手が少しポイントを稼いでいて、封じ手の局面では、やや先手乗りかなという印象でした。その後、2~3筋の攻めが成功した先手が一時勝勢に。しかし、秘術を尽くした羽生二冠の粘りに手を焼き、終盤は混沌。最後は、後手の寄せに対していい合駒を持っていたために、ぎりぎり勝ちきった。

次局は、そろそろ穴熊が見られますかね。熱戦に期待。


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第52期王位戦第2局(一日目) [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦している今期の王位戦。広瀬王位の先勝で迎えた本局。

詳細は、中継ページをご覧ください。

本局は、先手の広瀬王位が居飛車を選択。羽生名人は、一手損角換わり。

16手目△7四歩は、ちょっと早く態度を決めている感じ。角換わりの後手番は、腰掛け銀が多いけど、最近は一手損角換わりで早繰り銀がときどき現れるようになっている。富岡八段や糸谷五段の採用率が高いイメージがある。

この形は、結局、相早繰り銀になることが多い。腰掛け銀模様も1局だけど、ちょっと消極的な感じ。

本局も23手目▲4六銀まで、相早繰り銀に進んだ。16手目以降、ここまで自然な進行ながら、意外なことに、前例のない局面になっているらしい。

26手目△7五歩から後手が動きを見せる。居玉のまま突っかけるのも、現代ではごく当たり前の光景になってきた。一手損角換わりでは、バランスを取るために居玉が意外と良かったりする。王手飛車などには気をつけないと行けないけど、基本的には、相手の攻め筋と自分の攻め筋と両方から遠いわけで、理にかなっている。

30手目△7五歩は強情な手。一目怖すぎるので、研究手でしょう。先手も負けじと▲6五銀。早くもねじり合いの様相を呈してきた。

後手は、八筋の歩を交換して、様子を見る。

対して、▲5六銀が一転して落ち着いた一手。軽く動いてきた後手に対して、じっくりと押しつぶしていく作戦のようだ。

後手の指し手が急に難しくなってきた。・・・と思ったら、△7三銀!これは、柔らかい一手。なるほど。

40手目も△6二金とゆっくり。7五の歩が心配だけど大丈夫なのかな。

果たして41手目▲6六角と狙ってきた。当然△6二金の段階で構想は練ってあるだろうけど、指さない。そのまま封じ手になった。

本格的な戦いは、二日目からということになった。

封じ手予想は、△7四銀。個人的には、7五の歩を取らせる指し方も考えてみたいけど、なかなか有効な一手が難しい。でも長考してたから、何かするのかも知れない。

とはいえ、ぱっと見える△9三桂や△4四歩では、いまいちな気もするし・・・。玉を固めるのも難しいし・・・。

う~ん。迷って、考えて、やっぱり、△7四銀が相場かな・・・と思ってしまうのです。


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第52期王位戦第1局 [将棋]

広瀬王位に羽生二冠が挑戦する今期の王位戦。

広瀬王位は、振り飛車系オールラウンダーで、特に振り飛車穴熊が得意。独特な棋風で、いまいち表現しづらい。攻守にバランスがとれていて、柔軟な指し方が多いイメージ。若手ながら、一瞬の切れ味で持って行くというよりは、大局観を重視している気がする。穴熊の強みも弱みも知り尽くし、相穴熊戦に強い。

挑戦者の羽生二冠は、居飛車系オールラウンダーで、あらゆる戦型を指しこなす。今期は、名人位を失ったものの勝率は依然として非常に高い。名人戦以外では、ほとんど負けていない感じだ。攻守にバランスがとれているが、やや攻撃重視。

今シリーズの戦型は、どちらが振るかは問わず居飛車・振り飛車の対抗形を軸に、ときに相居飛車を混ぜる感じと予想。

さて、第1局はどうなったでしょうか。詳細は中継ページをご覧ください。

羽生二冠の先手で、初手▲7六歩の出だし。最近は二手目△3二飛の影響で、初手▲2六歩も増えているけど、本局は▲7六歩。

対して、△3四歩は普通。しかし、3手目▲6六歩で早くも戦型予想が外れた予感。これは、相振りになりそう。

結局、▲向かい飛車vs△三間飛車に進んだ。羽生二冠誘導の相振りは、はじめてじゃないかと思うくらい珍しい。

玉の囲いは、先手が金無双、後手が美濃囲い。金無双は全く見なくなっていたけど、また少し復権してくるのかも知れない。最近は相振りにおける強力な矢倉崩しも開発されているので、一頃のように矢倉に組めたら作戦勝ちという雰囲気でもなくなってきている。逆に、美濃囲いは上部に弱いと言われていたけど、手数の割には固く、先攻できれば意外と相振りでも使えることが分かり、非常に頻繁に採用されている。

32手目△3五銀まで、後手は、するすると左銀を五段目まで繰り出して、まずまず。先手は、とりあえずは、後手の攻撃を受け、カウンターを狙う構えのようだ。

35手目▲6八角が、比較的珍しい構想。38手目△3四飛と戻らせて、ちょっと気分良し。

39手目▲7四歩から、先手も飛先交換に行く。とりあえず、一回ジャブを入れておく感じかな。開戦と言うほどでもなさそう。一歩手持ちにして、▲8五飛と引き、様子をみる。

48手目△6四歩は、大胆な一手。すかさず、先手は▲8四歩と合わせて、7四の歩を取りに行く。56手目△7四歩では、若干悔しいような気もするけど、高美濃にすることには、それだけの価値があると言うことか。

57手目▲6五歩に手抜いて、△2六歩と進み、本格的な戦いに突入。

68手目△1三桂で、応酬が一段落。先手の次の指し手は、▲5五歩か▲3五歩か・・・。実戦は、69手目▲3五歩でした。77手目▲6五桂まで、先手がかなり気分良く攻めてる感じで、先手優勢かと思ったけど、次の△3六歩の手裏剣が意外に厳しく、実際の形勢は明瞭ではない。

84手目△3六角成と馬を作り、遠く後手陣の守りにも効いているのは大きい。

先手も85手目▲7三歩から攻めかかる。ただ、88手目△7三銀まで進んでみると、後手陣が意外に耐久力がある。やむをえない▲9五桂からの攻めに、△8四歩が当然とはいえ落ち着いた受け。

92手目△2六馬は、防御力が低下するだけに決断の一手。勝ちに行っている。

対して、93手目▲2五歩も勝負手。いろいろな手が見えるだけに、悩ましい。ここは長考したいところ。結局、94手目△5七桂~△2八歩とがんがん行く手を選択。これで、先手玉が寄っていると見た。

98手目△2五桂と、端っこにいた桂馬が世に出てきた。後手も全軍躍動してきて、この攻めは切れない。あとは、先手が一発カウンターを入れる順がまわってくるかどうかという終盤になってきた。

銀を取る前に、102手目△6五桂を入れたのは細心の寄せ。王手は追う手とも言われるけど、ここに逆から▲6五桂と打たれる順を消しておかないと後手玉が危ない。

107手目▲6三桂に強く△同金と取って、後手の勝ち筋か。しかし、そこで、死んだフリして▲6七金が勝負術。持ち時間がないと、慌てそう。

広瀬王位は、慎重に読みを入れて、△5八成桂からの寄せ合いを選択。後手玉は、必至はかかるが詰まない。

最後は、122手目△6九馬から、先手玉を即詰みに討ち取り、激闘に終止符。

相振り飛車のじっくりした序盤から、後手が先攻して先手が反撃する展開に。中盤は、先手が良さそうに見えたけど、いつの間にか体が入れ替わり、後手の勝ちそうな終盤に入った。しかし、最後は結構難しい即詰みで勝たないといけないという終局。形勢が揺れ動いているように見えて、意外と差が付いていなかったのかもしれない。

どうも、この両者は結構かみ合ってると見ました。第2局以降も熱戦が期待できそう。

次局は、広瀬王位の先手なので、先手四間飛車穴熊に、後手居飛車穴熊の相穴熊が本命。穴予想としては、羽生二冠の振り飛車(ゴキ中か角交換型)に、広瀬王位が居飛車で対抗・・・としておきます。横歩取りは、まだ出ないでしょう。


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第82期棋聖戦第三局 [将棋]

羽生棋聖に深浦九段が挑戦する今期の棋聖戦第三局。ここまで、羽生棋聖の2-0。一気に3タテで防衛と成るか挑戦者が踏みとどまるか。

詳細は、中継ページをご覧ください。

本局は、深浦九段の先手で、正調角換わり。

相腰掛け銀に進むも、後手が、24手目に△3三銀と早めに上がったため、同型にはならず。37手目▲4八飛と先手が右四間にする戦型になった。ここで、▲2五歩と突いても△7三桂とは跳ねてくれるとは限らず、右金の動きで、千日手模様になる可能性が高い。

お互い玉を囲い合って、41手目▲2五桂から開戦。ただし、まだ前例があり、豊島本などにも詳しく書かれている定跡の範囲。

46手目△7六歩は、重要な利かし。

54手目△6六飛は、知らないと怖いけど、ここから、飛車を切って勝負になることが分かっていれば、堂々と。

59手目▲6七同銀右が新手らしい。深浦九段らしい防御重視の手。63手目に▲2八角と引く準備ということか。仮に、63手目の時点で銀が5六にいたりすると、△2六角から攻めが続きそう。

そこで、じっと△7四歩が、非凡な一手。桂馬をとれるのに、それは後回し。

しかし、ここを突かれてみると、7六に銀がいるのがかえって当たりが強くなってる気がする。羽生棋聖が新手に
うまく対応してきたという感じがする。結局、するするとこの歩を切ることに成功。7筋にいつでも歩が叩けるようになったのは大きい。このあたりでは、後手持ちの印象だ。

たまらず、71手目▲4六角と切ったけど、ここまでの交換が先手にとって得だったかどうか。結果論ながら、63手目▲2八角のところで切っておいた方が良かったかもしれない。

74手目△3七角成で後手の攻めは一息。先手の反撃のターン。

81手目▲2三歩は、非常に厳しい一手。普通はこれで寄りですが、△同玉、▲2一竜に△2二角と埋めて、意外と耐久性がありそう。

先手玉も薄いので、2二の角に潜在的ににらまれているとつらい。

そして、92手目△3一金が読みの入った催促。先手はかなり忙しいが、後手も▲3五桂の筋が非常に怖いところ。いよいよ大詰め。何とか逃げ切れそうなので、後手が優勢か。

104手目△6五桂で、再度攻守逆転。今度は、先手玉が寄るかどうか。

しかし、106手目△3六馬~△5八馬が非常に厳しく、後手が勝勢。

・・・というわけで、羽生棋聖の勝ち。3-0で防衛となりました。

本局は、深浦九段の新手に対して、64手目△7四歩の妙手から羽生棋聖がややリード。対して、先手も81手目▲2三歩から相当迫ったけど、92手目△3一金が読みの入った強気の受けで、後手の勝ち筋に。

一日制タイトル戦の羽生さんは本当に他を寄せ付けない強さだ。名人位を失ったものの、棋聖戦はしっかり防衛し、調子が落ちていないのはさすが。

今シリーズは第二局の死闘を制したのが非常に大きかったと思う。第二局は、どちらかと言えば深浦九段が得意としていそうな泥沼の展開だったのに、結果は羽生棋聖が勝ってしまった。

角換わり腰掛け銀は、しばらくこの形が流行るかも。優劣はともかく、攻め合いに持ち込みやすいのが後手から見たときには魅力。玉も堅いし。


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第82期棋聖戦第二局 [将棋]

羽生棋聖に深浦九段が挑戦している今期の棋聖戦第二局。

羽生棋聖は、名人を失ったばかり。感想を書き忘れたけど、名人戦第七局は、横歩取り8五飛4一玉型に対して、挑戦者が新山崎流で対抗。二日目の昼休みの時点で見たときには、やや先手持ちと思って見ていましたが、実際に攻めが続くかどうかは、非常にきわどく、難解な形勢でした。結果は、細い攻めをつなぎきった森内九段が名人復位ということになりました。

閑話休題。棋聖戦は、一日制なので、羽生棋聖の得意とするところ。前局は、矢倉→カニカニ銀で快勝でした。

本局はどうなったでしょうか。

詳細は、中継ページをご覧ください。

戦型は、深浦九段の一手損角換わり。対する羽生棋聖は、棒銀を選択。

26手目△6五歩は少し早い感じ。とがめるのは難しそうだけど、普通に進めて特段の害もなさそう。このタイミングで突くことの価値は、不明。

後手は34手目で右四間にし、端桂を跳ねて攻撃態勢を整える。対して、先手は、37手目▲6八銀と桂馬跳びの筋を先受け。

それでもかまわず、後手は△6六歩から攻撃開始。銀香交換の駒損ながら、馬を作ってどうかという仕掛け。先手は、右銀も遊んでいる。

先手は、47手目▲7七角から後手の馬を消しに行く。

当然、交換するものと思っていたら、なんと、△9八馬!

さらに、▲9九銀とばかり思っていたら、▲8八金!・・・馬と金が行ったり来たりで、千日手成立。

多分、予定変更だと思う。どこかに誤算があったのかもしれない。

続く、指し直し局は、羽生棋聖の角交換四間飛車穴熊。これまた比較的珍しい。

30手目△3五歩は、結構意欲的。穴熊完成前ながら、攻撃の形も見せている。

それを尻目に、深浦九段も潜って、結局相穴熊に。しかし、どうも先手が組み勝っているような気がする。深浦九段の作戦勝ち模様と見えます。

具体的にどう良くするかは難しいけど。

結局、50手目△4五歩から後手は動く。桂馬を成り捨てて、角の打ち込み。強引にこじ開けに行っている感じだ。

66手目△3六歩は、技巧をこらした手。先手の金を遊ばせる工夫。これが入ってみると、意外と後手もやれている気がしてきた。

しかし、ここからの攻防は、相穴熊らしい削って埋めての繰り返しで、きわめて難解な勝負が展開され、正直形勢判断も次の一手も訳が分からない状態でした(^_^;)

136手目△8八馬と切ったあたりでは、後手が優勢になったと思ったけど、なぜか先手玉がなかなか寄らない。飛車合いが、思いの外いい手だったのかな?端を突いたあたりでは、逆転したような気がした。

しかし、その後、もみ合いの中で、166手目△5四角が味が良く、後手が混戦を少し抜け出したようだ。これ以降は、手数は長く、また最短の寄せではなかっただろうけど、少しずつ後手が安全に、先手が危険になっていく流れで、逆転はしにくそうな展開だった。

最後、202手目△7八飛成で、先手玉は受けなし。後手玉に詰みはない。

というわけで、羽生棋聖の勝ち。これで通算2-0。

指し直し局だけでも、二局分くらいの長さ。それも、難解な削っては埋めての攻防戦。ふ~、見てるだけで、疲れた・・・(^_^;)


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第82期棋聖戦第一局 [将棋]

羽生棋聖に深浦九段が挑戦する今期棋聖戦の第一局。深浦九段は二期連続の挑戦者。前期は、三連敗でしたが、今期はどうでしょうか。羽生棋聖は、一日制のタイトル戦はめっぽう強く、挑戦者が一勝をあげることが難しいという状況が続いています。

羽生棋聖は、言わずと知れた将棋界のスーパースター。名人戦をいきなり三連敗し、不調説もささやかれましたが、名人戦は三連勝を返し、王位戦は挑戦権争いをし・・・と、いうわけで、全然不調じゃないように見えます。居飛車系オールラウンドで、あらゆる戦型を指しこなします。攻守ともにすぐれバランスがとれている棋風ですが、特に最終版のごちゃごちゃしたところをわかりやすく寄せていくのが非常にうまいという印象があります。

挑戦者の深浦九段は、居飛車党で、こちらもバランスの取れた棋風です。攻めは素直にシンプルに、受けでは奇抜な粘りの一手を繰り出し、怪力を発揮する印象があります。

さて、本局は、柏の花野井で対局でした。大盤解説は、柏将棋センターでしたので、途中からちょっと覗いてきました。門倉新四段とプロフェッサーが解説でした。

棋譜中継は、こちらをご覧ください。

本局は、出だしに不思議な駆け引きがあって、結局矢倉になりました。▲2六歩を先に突いている関係上、いわゆる飛先不突き矢倉の定跡にはならず、早囲い模様に。

そこで早囲いを牽制して、後手が中央からカニカニ銀で動いてくると言う展開に。

昼食休憩あけの31手目▲2五歩がケンカを売った手で、普通は▲5八飛くらいが相場のところ。これは、もう収まらない。後手は△5五歩から、開戦。

中央で銀交換し、中央を制したのが後手の主張。対して先手は、二筋を交換し、角を捌いたのが主張。どちらが勝るか・・・という大局観の勝負です。後手のほうが前のめりの序盤だっただけに、第一感は、中央で銀が捌けたのは作戦が通っているので、気分良し。後手持ち。

42手目△5六銀~44手目△5六同飛は当然とは言え、快調な攻め。なかなかタイトル戦で、こういう単調な展開は珍しい。

対して、▲3七角は、△6四角の筋を防ぎつつの桂取りという手で、第一感。飛車成り自体は、そこまで脅威ではない。

対して、46手目△3九銀とB面攻撃。・・・指されてみると、飛車のいい逃げ場所がない。これは痛い。

52手目△1八金と飛車を取られたときに、▲同香と取り返せないのでは、後手優勢でしょう。先手は非常手段で、▲5三歩と叩いて飛車先を止めたけど、代償として後手の角が世に出たので、後手としては全く不満のない展開。

58手目は、△4九飛~△5九角成の筋で攻め合うのも有力と大盤解説では言っていたが、本譜は、△6二金。やはり解説や控え室の検討は優勢でも過激になりがちだが、対局者はやはり冷静な一手が多い。

61手目▲5六香で、先手は5筋の制空権を取り返したものの、その裏から64手目△5七歩がうまい拠点作りで依然として先手陣は炎上中。

68手目△5八歩成の局面で、解説会では「次の一手」クイズ。候補手は▲5五銀、ひねって▲4五銀(質駒を与えて、誘われた後手が一気に決めに来て間違えるのを期待)などでしたが、実戦はもっとひねって▲3七桂打!

内心、打たずに▲3七桂としたらどうなるか(△同角成には▲4五歩として大乱戦になりそうなので、優勢な後手がひよって間違えてくれないかな~という狙い)というのを冗談で考えたりもしていたので、▲3七桂打もある筋だとは思いましたが、驚きました。

70手目△3一玉は冷静。こういう将棋は、どこかで、この一手を入れて決め手にしたいなあという構想で指すもの。思いがけず、早い段階で一手の余裕を得たので、ここが寄り頃でしょう。

先手は、行きがかり上、71手目▲6五歩と飛車包囲網を狭めていくしかない。しかし、72手目△7五歩が激痛。▲同歩はいきなり△7六歩と叩かれても厳しい。金銀どちらで取っても、△6八と~香車を抜かれる筋でアウト。

しかたなく、73手目▲5五馬でしたが、△5四歩でシビレ形。角を渡すと先手玉が詰むし、△4六飛と生還されては、▲3七桂打~▲6五歩の顔が立たない。しかし、75手目▲8二馬も涙の一手。深浦九段でなければ、投了でもおかしくないぐらいのところ。

ここしばらく先手が有効な手を指せていない。実質的にパスしまくっているような感じだ。対して後手は玉を寄り、7筋を取り込み、5四に歩を打って、先手の香車の筋を止めることに成功。しかもまだ飛車は取られていない。

そこでまた、78手目△4八銀不成がにくい。5七の地点はすでに先手が一枚負けているのにさらに一枚足されたので、絶対に受からない。あせってと金を現金と交換するのではなく、遊び駒を使って手厚く寄せに行く。これが、最後の決め手。

先手は飛車を取りに行くしかないけど、間に合わなさそう。それに、仮に取られたところで、何かの時に△4四角と引く手が絶好になる(▲3七桂打と▲6五歩が悪手になるし、たいていの変化で詰めろになる)ので、怖くない。後手勝勢。

以下、程なくして先手投了。

というわけで、羽生棋聖先勝。深浦九段としては、この敗戦は痛い。序盤に先手から注文を付けて駆け引きしたのに、中盤、仕掛けのところで大局観の違いで、少し差を付けられた。その後、終盤の入り口で勝負手で指した手をことごとく悪手にされて、サンドバック状態になり、最後は大差の完敗。開戦してからは、ほぼノーチャンスに見えた。やはり、カニカニ銀を捌かせてはいけなかったのではないかと思う。

これは、いくら鈍感力の深浦九段でも精神的ダメージが大きいかも。羽生棋聖は充実してますね。


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第69期名人戦第六局 [将棋]

相矢倉から、羽生名人が先攻し森内九段が受ける展開に。途中、かなり先手が良さそうに見えたけど、実際には、そんなに簡単ではなかったようで。矢倉ってよくできてるなあ。

117手目▲5六角が実現したあたりから、ああやっぱり先手が勝ってるなあと思って見ていました。

さて、名人が三連敗から三連勝して、ついにフルセットに。一局でも多く見れたらいいなあと言っていたら、本当にそうなりました。見ている方としては、最高の展開。

名人戦では、そもそも三連敗三連勝の展開が初らしい。その勢いで、三連敗四連勝となるのか、挑戦者が踏みとどまるのか。

改めて振り駒なので、戦型予想は難しいですが、両者自信のある形ということでは、やはり矢倉が本命でしょうか。羽生名人が後手番の場合は、横歩取りの可能性もあるかなと思います。


タグ:将棋 名人戦

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